(第−8号)
ふぉとこみ通信

風を感じる

先般開催されました内川嘉子さんの小品(絵画)展で数多くの素敵な作品を見せて頂きました。

photo8-p1.jpgその中でもひときわ印象に残ったのが左の作品でした。

題名は「風を見た日」です。

普通風を表現するとなると、風にたなびく○○など、風を受けて動く対象物を入れているのが多く見受けられます。
ところが「風を見た日」の不思議なのは、表面的な動きなど入れていないのに風を感じ、額の向こう側に本当に浜辺が有る様です。
作品を描かれた内川さんに色々お聞きしていると、どうも五感だけでなく心の目で風を感じられている様に思えて来ました。
風を見る=心の目で風を感じとると言う事でしょうか?
またキャンバスと向かい合っていると「作品への想いがどんどん深くなっていく」と言われた事が大変印象的でした。
次にご紹介する作品は杉山明男さんが撮影された写真です。
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「風を表現するにはスロ−シャッタ−で動きを付けろ!」なんて何処かのファ−ストフ−ド店のマニアルみたいに取って付けた様な理屈ばかり並べている写真雑誌を見受けますが、杉山さんの作品はそんな小手先のテクニックなど使わず、素直に風を感じさせてくれます。
きっと杉山さんも心の目で風を感じ、ファインダ−を通して作品への想いを深めたのではないでしょうか。
絵画も写真も表現方法としてのテクニックは勿論必要だと思いますが、その前に心の目で感じて想いを深めるのが大切な事だと教えられた2枚の作品でした。

Phot Communication 事務局