途中下車の勧め... | ||||
30年も前になりますが、神奈川県から牛久にやって来ました。 常磐線と言う名前は知っていましたが、乗るのはその時が始めてだったと思います。 上野から江戸川まで、ひたすら下町の街並みを見下ろしながら走る車窓が大変楽しかったように思います。 既に使われていませんでしたが、北千住に有ったロッテのホ−ムスタジオの東京球場。 今ではだいぶ減りましたが、至る所に竹の子の様に立っていた銭湯の煙突。 何か良く判らないが牛一頭分の皮を沢山干してある物干し台。 そんな中、何故かちょっと気になる三河島の街並。 電車(当時は赤電と呼ばれていました)が駅に停車すると見えたボクシングジムの看板。 確かロイヤル小林(世界戦には失敗しましたが大変強いボクサ−)が所属していました。 小さな町工場の前に無造作に置かれた金属製品..などなど! 私にとって三河島と言うとあの大きな列車事故で有名になった三河島事件としてマイナ−なイメ−ジ位しか無かったと思います。 気にはなっていたのですが、通勤と言う時間の流れから逸脱できず30年素通りしていました。 ここで一念発起(チョット大げさですけど)し、勇気を奮って?ついに三河島駅に途中下車してみました。 −東京盆地− かっては駅からあの”お化け煙突”さえ見えたと言っていた風景もいつの間にかマンションやビルに囲まれてしまい、今では300m四方位のビル間の盆地となっています。 日溜りにたたずむお年寄りと公園の片隅に立っている時計が過ぎ行く時を静かに見つめている様でした。 −幻の階段− 初めて降りる階段です。 そうか〜!駅の一番端しに有ったんだ... 30年経っての大発見です −ワクワクドキドキの路地裏− 良くテレビで”谷根千”(通は谷中根津、千駄木をこう呼ぶ)の路地裏を紹介しますが、どうしてどうして三河島の路地裏も一級品です。 とうふ屋さんのラッパが聞こえて来そうな雰囲気です。 −絶滅危惧種− かつてどこの路地にも丹下作善宮本武蔵、月光仮面などの強豪や正義の味方が必ずいたのですが、最近はテレビゲ−ムの中からは出て来てくれないみたいです。 2階からお母さんが「ちゃんと撮ってもらいなさいヨ」と言っていました。 江戸っ子はプライバシ−だのどうだのなんて野暮な事は言いっこなしです。 −街角の修理屋さん− 路地裏を抜けると「幸田ミシン店」が有りました。 ご主人に話しを聞くと工業用ミシンの修理をしているとの事です。 最近は修理までメ−カ−は中国に出してしまう....! それでも仕事は結構有って忙しいですヨと言っていました 仕事の手を止めて快く話しに応じてくれるオジイチャン、これも下町の人情でしょうか。いつまでも元気に働いて下さい。 二畳ほどの作業場にドリルやヤスリが所狭しと並んでいます。 −変わる街角− 子供の頃あそんだ思い出の有る路地裏を残しながらも街の姿は確実に変わろうとしています。 どんどん狭くなって行く空を見つめ老木はなにを思っているのでしょうか。 −またまた大発見です− ここを何処だとおもいます? 三河島から上野寄りの線路の下です。 踏み切りには「JR貨物」と書いて有りました。 ここで貨物列車を見るのが大好き! −街の行き先− ご他聞に洩れず三河島の街もシルバ−タウンへの道のりを進もうとしています。 でも素敵な街です! ここで育った子供達は、きっとまた帰って来ると思います。 皆さんも気になっている街や駅はありませんか? Photo Communication 事務局 |
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